ドイツの子どもたちは、小学校からギムナジウム(大学進学前の中等教育)にいたるまで、授業時間にどれほど積極的に発表したかによって評価も異なってくる。これはドイツ国籍の韓国人が教えてくれたことだが、ドイツ人は幼いときからそのように教育されているので、自分の意見を積極的に述べるのをためらう人はまれだという。わが国では逆に、それを推奨するどころか、抑制する方向でしつけや教育を行ってきたのである。私の高校時代を振り返ってみても、手をあげて発表したのは、黒板で数学問題を解くときぐらいだ。教師が熱心に教えてくれるものをかたっぱしから覚えていけば、よい成績のとれる教育方法であったから、そこでは、話すよりも聞くことが極端に重視されていたのである。そんなシステムの中で、外国語をはじめすべての教育を長きにわたって受けてきた人間が、外国へ行き、多くの人の前で積極的に意見を述べろ、しかも外国語でわれても、それはうまくできるほうが不思議なのである。