カンペル平面を測定し、咬合床がカンペル平面と平行になっていればOK。平行になっていなければ、ロウを調整して並行にする。次に、噛み合わせの場所を決めるために咬合採得がおこなわれる。このとき、使う人工歯を決めるための顔の採寸もおこなわれる。「歯の大きさは、正面の中切歯の長さが顔の16分の1と言われています。顔を採寸して、その人の顔に合ったバランスのよい歯の大きさにします」大きさだけでなく、形や色からも人工歯選びがおこなわれる。たとえばあなたの顔の形や色、唇や歯ぐきの色、残っている歯の色などを考え、自然に見える人工歯が選ばれる。先生の技術とセンスがものをいう場面だ。「人工歯の形は、顔とのバランスを見ながら決めます。たとえば丸い顔の人は歯も丸くし、四角い顔の人は四角くします。こうすると顔とのバランスが取れ、違和感がありません。また、横顔も、歯の形に微妙に影響します。横顔が扁平の人は横から見た歯の形も偏平にし、横顔が丸い人は歯にも丸みを持たせます。こうすると、非常に自然に見えます」人工歯を決めるとき、個人個人の要素以外に、先生は女性か男性かにも配慮する。「女性は隅角(歯の両側の角度)を丸くし、歯並びのラインの両端をリップラインに合わせて上がり気味にします。こうすると女性らしい優しさが出ます。男性のほうは隅角を四角くし、歯並びのラインの両端を下がり気味にします。これで、男性らしい力強い感じになります」MTコネクターでは、その人のいろいろな要素を考え、審美性の高い人工歯への配慮がおこなわれる。これはMTコネクターの機能そのもののメリットではないが、自然さを追求するMTコネクターにこめた技工士・宮野たかよしのこだわりである。人工歯の選択が終わると、咬合採得でつくられた模型が咬合器に装着され、人工歯の排列になる。人工歯の排列は、あなたの目の前でおこなわれる。あなたの目の前で、自分の歯並びが徐々につくられていく。「前歯については1本1本排列し、そのつど患者さんに鏡でチェックしてもらいます。それも正面からだけでなく、横から、斜めから、斜め前方から、斜め後方からといったように、あらゆる角度からチェックしていただきます。自然な歯並びに見えるようにするために、歯が自然に生えているように見える立体感が大事だからです」ここまで歯並びに注意を払う入れ歯づくりがあるだろうか?普通であれば、でき上がった入れ歯を見せられ、はめてみるだけだ。しかし、MTコネクターでは、患者さんの目の前で人工歯が並べられ、患者さん自身でもチェックができる。これもまた先生のこだわりの表れに他ならないし、歯科クリニックと技工所がドッキングした独自のシステムならではのことだ。前歯については、あなた自身が周到なチェックをおこなう。ただ臼歯部については、噛み合わせが重要であり、先生に任せることになる。