字幕なしで映画を見てはじめてわかるアメリカ文化。私がアメリカ文化の洗礼を浴びた最初の映画は『ある愛の詩』である。この映画を見たころ、私はある女性との出会いに胸をときめかせている最中たった。オリバーとジェーンが出会い、恋に落ちるまでは私の経験とほとんど同じだったので、おおいに共感できたが、それからすぐに彼らがベッドを共にしたのには、ひどく驚かされた。「あれ?彼らは何のためらいもなくいっしょに寝るんだ」その当時、わが国では、「男と女がそういう関係になったら、当然、責任は男がとるもので、その方法は結婚である。男が責任をとれない場合、女性は悲恋の主人公になり、その男は天下の悪人として知人たちに非難され、自分自身も不幸になる」という考えが一般的だった。大学生の私でさえそうだったから、社会通念はもっと保守的なものであった。しかし、アメリカの若者はいとも気軽に一夜を共にする、そう知ったときのカルチャーショックはむしろ新鮮でさえあった。