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自己イメージを変えるマシン

2011.03.05

フルカラー画像処理システムというものがある。画面上で、自分の顔をシミュレートするマシンだ。スイッチON。まずは自分の顔を、コンピューター画面の上に設置されているビデオカメラで映し出す。これが「原型」。目を二重にする場合、「Compose」というメニューをペンで軽く触れ、「原型」の目の部分を拡大する。二重のラインを描き入れたい場合は、「Paint」や「Brush」を選択し、画面の上をペンで触れていくだけで、微妙なラインが書き込める。出来上がった目をもとの自分の顔にはめ込みたい時は、「Move」。次の瞬間、違う目をした私自身が画面上に加工されている。部分的にシミュレートされた新しい「私」。テクノロジーが自己イメージを変える瞬間だ。この機械はそもそも米国航空宇宙局(NASA)の地表測定用ソフトから生まれたという。日本に導入されたのは1983年。画像ペインティングシステムとして印刷技術に応用された。1985年、メイクアップシステムが開発された。これは口紅やアイシャドーなどを画面上の顔に自由に描き込める装置だ。化粧の色は約1700万色、新製品のデモンストレーションにも利用できるということで、某大手化粧品メーカーは500台購入してチェーン店に並べた、という。その後、形成外科医が開発に加わり、イメージシミュレーター第1号が完成した。形成外科学会にて発表したところ反響があり、さまざまな要望も寄せられた。1987年には、修正の前と後二画面しか映し出せなかったものから側面像も表示できるようになった。このマシンはカウンセリングの際、患者の希望を具体的に把握するために役立つ。画像処理され作られた手術後像は、医者と患者の間にあるイメージのギャップを埋める役割を担う。画像は言葉に代わる有効な手段となる。そしてまた、画像は、私たちの内部に眠っていた欲望を揺り起こす。一度見てしまったイメージ、こうなりたい、と具体的に目ざめてしまった欲望を再び眠らせるのはとても難しい。画像というのは妙な説得力を持っている。大塚美容外科では手術の後の顔を、2台のビデオカメラを使い、モニター画面に映し出すという。すると、患者は手術の結果をすんなりと受けいれる。しかし手鏡を使って新しい顔を見させると、なかなか納得しないという。「人間は自分の顔のイメージを強く持っています。日常的に使っている手鏡だと、どうしても自己イメージから自由になれないんでしょう」と大塚美容外科の橋本洋平は言った。

[参考]
http://www.ftcn.net/page02.html


http://www.audis.info/guide02.html


http://www.nekn.org/